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犬や猫の肥満の見分け方!減量する時に大切なことってなに?

そろそろ涼しい日も増えてきて夏バテから解放された飼い主さん、わんちゃん、ねこちゃんも多いのではないでしょうか?

真夏は暑さによって体も消耗し、食欲が落ちてしまう…というケースも多いですよね。

 

けれども秋になってくると、猛暑とクーラーによる寒暖差からくる体調不良から復活し、「食欲の秋」がやってくることもしばしば。

Con tuttiスタッフもこれから始まる秋の味覚を楽しみにしつつ、体重の増加にドキドキです…!

 

そこで今回は、わんちゃんやねこちゃんの体重増加による「肥満」に注目してお話していきます。

「うちの子は肥満なのかな?」

「ダイエットさせたいけどなかなか痩せられない…」

という飼い主さんがいれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。

犬や猫にとって肥満が引き起こすリスク

まずは「肥満」とは体にとってどんな状態なのかを確認しておきましょう。

「ダイエットした方がいいかな?」と心配するということは、愛犬・愛猫の体に負担がかかるのではと感じているからだと思います。

 

肥満は単純に「太っている」という意味だけにとらわれがちですが、獣医療では「肥満=病的な状態」とされています。

 

太っているだけなのに病気なの!?と思われる飼い主さんもいるかもしれませんが、それは肥満がもたらす体への負担が大きいことを表しています。

 

● 余分な脂肪部分にも血液を頑張って巡らせる必要がある(心臓の負担がアップ)

● 関節や背骨に体重がのしかかり痛みが増す

● 首周りの脂肪がのど(気管)を圧迫して呼吸しづらくなる

● 体が重いと運動したくなくなり筋肉量が減る

 

こういった肥満による悪影響は、愛犬・愛猫の生活の質(QOL:クオリティ・オブ・ライフ)を大きく下げてしまいます。

 

たとえ今は健康診断で病名がつかなくても、肥満がやがて愛犬や愛猫の体に明らかな病気として現れるリスクは高くなるため、肥満体型の子には「ダイエット(減量)」をおすすめします!

うちの子って肥満?獣医師に体型チェックしてもらうメリット

とはいえ、まず大切なのはあなたの愛犬や愛猫が肥満かどうかを知ることですよね。

 

肥満の見分け方で最も簡単なのは、ワクチンやフィラリア検査などで動物病院に行った時に、直接獣医師に触ってもらって確認すること。

 

わんちゃん・ねこちゃんそれぞれに合わせて、

● 確実な体型のチェック

● 生活習慣に合わせた減量方法

● 減量用のフードの相談、サンプルの提供

などを受けるメリットがあります。

 

特にブルドッグ系やイタリアン・グレーハウンドに代表されるように、犬種や猫種によってがっちりしている、ほっそりしているといった見た目のスタンダードに差がある場合は、飼い主さんのみで行うセルフチェックが難しいこともあります。

そんな時には、過剰な&不要なダイエットを避けるためにもぜひ獣医師に体型相談をしてみてください!

お家でできるBCSを元にした肥満体型の見分け方

ただし、「近々行く予定はないし…」という飼い主さんは、まずはお家でセルフチェックしてみるのもいいでしょう。

そこで、BCS(ボディ・コンディション・スコア)を元にした、簡単な体型チェック方法をお伝えします。

 

お家のわんちゃん・ねこちゃんの体形をセルフチェックする時には、真横からと真上から体を見てみて、BCSと呼ばれる基準の元で痩せている・太っている・ふつう体型の判断をしてみましょう!

BCSはそれぞれ

● 1…痩せすぎ

● 2…痩せ気味

● 3…ふつう

● 4…太り気味

● 5…肥満

となっています。

(BCSを5段階以上に細分化しているものもありますが、今回は簡単なものをご紹介!)

 

体型の判断をする時に、

「腰のくびれはわかりやすいけど肋骨の触り具合の判断が難しい…」

という飼い主さんがいれば、まずは自分の手をグーに握りこんで、そのまま手の甲もしくは指の甲を触ってみてください。

その後、愛犬・愛猫の肋骨を同じように触ってみて、1本1本わかる程度に数えられるよ!という状態であれば問題なしです。

 

もしも、「あれ?肋骨に触りにくいぞ…」という時にはBCS4、「まったく触ることができないぞ…」という時にはいよいよBCS5であると言えるかもしれません。

いざダイエット!でもその方法は?

チェックした結果、「うちの子は肥満だったからダイエットが必要...」となれば、飼い主さんとわんちゃん・ねこちゃんそれぞれに合わせた減量方法を探りましょう!

 

減量へのステップは次の通りです!

 

1.肥満の原因を見つける

2.愛犬・愛猫がふだん食べているものをすべて洗い出す

3.目標を決める

4.減量の取り組み方を決めて実行する

大事な家族であるわんちゃん・ねこちゃんのダイエット方法を考える際にまず何よりも大切なのは、「肥満になっている原因を知ること」です!

 

肥満は単純に摂取カロリー>消費カロリーとなっているだけでなく、ホルモン(内分泌)系の病気を元にした太る原因があったり、実は痩せているのに腹水などで「太って見えているだけ」という特殊なケースもあります。

 

実際に、Con tuttiスタッフは動物病院で「最近お腹が出て太ってきた」という飼い主さんとねこちゃんが来院した時、たぷたぷと膨らんだお腹の中には多くの腹水が溜まっていたというケースに遭遇しています。

こういった病気が原因の場合は減量ではなく、まずは病気に対するコントロール方法を探っていかなければいけません。

病気を元にした肥満ではない子の場合は、やはり消費カロリーよりも摂取カロリーが上回っていることがほとんどです。

 

● ご家族の中で食卓にある人のごはんをついおすそ分けをしてしまう人がいる

● ごはんを用意する時に計量していない(していてもざっくりと)

● おやつをよくあげる(歯磨きガムもおやつです)

 

こういったことが当てはまるご家庭なら、わんちゃん・ねこちゃんが毎日「何を」「どれくらい」食べているか、メインとなるドッグフードやキャットフードだけでなく、口にするものすべてを書き出してみてください。

 

その上で、

「体が重そうだから楽しく運動できるくらいの体型を目指したい」

「関節の病気があるからできるだけ悪化を防ぎたい。そのためには〇㎏がベスト!」

といった目標を立てましょう。

 

その目標に向けて、摂取カロリーが消費カロリーを下回るように食べ物のコントロールをしてあげる必要があります。

フードの計算方法は、ただむやみに減らすのではなく、その子の運動量や年齢、目標体重を元に割り出して、急激な体重減少を防ぎ、必要な栄養素が摂取できる量にしてあげましょう。

 

1週間で1%ほどの体重減少で、数か月かけて目標体重に到達するようにできれば、体への負担も急激にならずに済みます。

 

ひとりひとり考慮すべきカロリー計算の条件は異なるので、かかりつけの獣医師に相談するか、Con tuttiの訪問カウンセリングなどで一緒に考えていきたいですね。

減量用フードの多くは、満腹感アップとカロリー低減のために高食物繊維食になることがほとんどです。

しかし、時にはこのフードによってうんちが硬くなりすぎて、排便時の痛みにつながることもあるため、ごはんの切り替えをする時には排泄がスムーズにできているかも確認しながら試していきましょう。

 

そして、わんちゃん・ねこちゃんのダイエットは、家族全員が協力して初めてうまくいくことが多いものです。

たった1人でも「かわいそうだからこっそりおやつをあげちゃおう」と考えてしまうと、「こんなに頑張っているのになんでうちの子の体重は減らないのかな…」と別の家族が悩んでしまう原因になります。

 

家族みんなで協力してわんちゃん・ねこちゃんの健康管理をするために、ダイエット中のおやつのあげ方や、減量方法で悩んでいるという方がいれば、お気軽にCon tuttiまでご相談くださいね。

お家で・お外で楽しく遊ぶことも大事

わんちゃん・ねこちゃんの減量をする時には、食事の管理がメインにはなってしまいますが、できる限りの運動もぜひ取り入れてみてください。

 

運動嫌いの肥満の子は、筋肉量が落ちているケースがかなりあります。

 

筋肉量が足りないと、体を支える足腰の弱りにどんどんつながっていってしまうため注意が必要です。

また、代謝も落ちがちで、「太りやすい体質」にもつながってしまいます。

 

わんちゃんの場合はお散歩はもちろん、お家の中で

● 宝探し

● かくれんぼ

● 引っ張りっこ

などの遊びで楽しく運動してみるのもおすすめです。

 

宝探しであれば、複数の紙コップを大きく間隔を空けて伏せて並べ、中にいくつかごはんを忍ばせておきます。

この時のごはんは、ふだん食べる分から「おやつ用」として取り分けておけば、過剰なカロリーを摂取することなく済みます。

 

かくれんぼは飼い主さんの演技力によってわんちゃんのリアクションが変わってくるため、一緒になって楽しむぞ!という雰囲気を家族みんなでつくってみると、わんちゃんも楽しんで「どこに隠れているの~?」と探してくれるかもしれません。

ねこちゃんの場合は運動で体重を減らすということがなかなか難しいです。

しかし、おもちゃを使って遊びに誘い、狩りのマネになるような動きを繰り返してもらうだけでも体を動かし筋肉量を維持することにつながるので、ぜひ愛猫お気に入りのおもちゃを探してみてくださいね。

 

 

 

たかがダイエット、されどダイエット。

わんちゃん・ねこちゃんひとりひとりに合わせたダイエット(減量)方法は生活スタイルによって大きく変化します。

 

運動する前に準備運動のマッサージをしたり、室内やお散歩中に楽しんでできる「わんちゃんエクササイズ」もさまざまあります!

Con tutti-コントゥッティ-「イベント・相談室」

「うちの子の減量に役立ててみたい!」と気になる飼い主さんがいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡くださいね♪

 

こちらのコラムはマイベストプロ神戸(神戸新聞)サイトでも公開中!