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動物病院活用術!愛犬と愛猫のための待合室での過ごし方

あけましておめでとうございます!

2020年になって約10日経ちましたが、皆さんお正月休みの感覚は抜けましたか?

 

お正月を無事乗り越えて、さて、そろそろ動物病院にいつもの検診に行かなければ!という飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

そこで今回は、動物病院を訪れる時に考えたい、人の病院とは違う待合室での過ごし方についてお話しします。

 

ー今日の目次ー

1.動物病院の待合室で愛犬・愛猫はどんな様子?

2.なぜ動物は待合室でそんな行動を取るの?

3.わんちゃんのための待合室で過ごすポイント

4.ねこちゃんのための待合室で過ごすポイント

5.予約診察やCFCを積極的に活用しよう!

 

動物病院の待合室で愛犬・愛猫はどんな様子?

皆さんの愛犬・愛猫は、動物病院を訪れたらどんな様子で診察まで待っているでしょうか?

 

私たちが実際に動物病院で感じてきたのは、

 

1.まったく平気。むしろスタッフの人好きだし、他の子も気になる~!

2.怖すぎて無理!もう隠れさせて…

 

の両極端な2パターンでした。

皆さんのわんちゃん・ねこちゃんはどちらでしょうか?

 

ねこちゃんの場合はほとんどが2ですが、わんちゃんの場合はかなり分かれます。

診察室で治療を行うことについて緊張する子がいるのはもちろんですが、待合室で2の状況に陥っている子は、実は待合室の環境自体が苦手というケースも多いのです!

 

なぜ動物は待合室でそんな行動を取るの?

動物病院にやって来ると、わんちゃん・ねこちゃんたちは、

● 他の飼い主さんやスタッフの匂い・声・物音

● 他の動物の匂い・鳴き声

● 病院独特の消毒液や薬剤の匂い

● 飼い主さんの緊張・不安

といった、「いつもとは違う環境」にさらされます。

 

私たち人も、自分自身の受診の時には、「何だか緊張する…」「不安だな…」と思うことはきっとあるでしょう。

 

動物たちにとっても同じことで、さらには、彼らは自分で行かなきゃと思って動物病院に来ているわけではないため、

「なぜここに連れてこられているのか」

「なぜここにい続けなければいけないのか」

といったことが理解できません。

 

そんな中で、自分の傍に他の動物や人が近づいてきても、冷静に挨拶もできず、困ってしまう子がたくさんいるのです。

また、飼い主さんが感じる緊張や不安も、わんちゃんやねこちゃんには伝染して、より恐怖心があおられていることもあります。

 

こういった、一種のパニック状態に愛犬・愛猫を追い込まないためにも、待合室で過ごす時にはちょっとした工夫をしてあげることをおすすめします。

 

わんちゃんのための待合室で過ごすポイント

わんちゃんが落ち着いて待合室で過ごすためには、まずは自分の愛犬が他の人・わんちゃんにどういった感情を持ちやすいかを理解してあげることが大切です。

 

【1.他の人・動物が苦手な場合】

 

飼い主さん以外の人やわんちゃんが苦手な子の場合は、愛犬が他の人やわんちゃんと直接挨拶しなくて済むような環境にしておいてあげることがベストです。

 

● キャリーバッグ・ケースに全身を完全に入れる

● 駐車場の車の中で待つ

 

膝の上で抱っこをして落ち着かせようとしても、周囲が「見えすぎる」ことで不安が高まっている子には、飼い主さんが与えるいつもの安心感がなかなか効かないこともあります。

 

そんな時には意外とキャリーの中にいた方が、他の人・動物が近づいてくる恐怖や環境から、少し離れることができます。

 

また、動物病院の受付システムにもよるかもしれませんが、

「待合室でワンワン吠えてしまう…」

と愛犬の行動に悩んでいる方は、思い切って待合室から離れて待つことで気持ちが和らぐことも多いもの。

 

私が以前勤めていた病院では、車で待っている間に順番が来たら、先に伝えてもらっておいた携帯番号にワンコールだけ鳴らしてお知らせするという方法を取っていた方もいました。

かかりつけであれば、ちょっとだけ動物病院スタッフの協力を仰いでみるのも1つの方法です。

 

吠えてしまう、ブルブル震えて固まってしまうといったどちらのパターンでも、こういった対策をとってあげるだけでも愛犬の待ち時間への負担は変わります。

 

【2.他の人・動物が大好きな場合】

 

恐怖とは反対に、待合室でついついはしゃいでしまう子も時には注意が必要です。

 

特に、わんちゃんの中には猫の匂いに敏感に反応して異常なほど興味を示す子がいたり、他のわんちゃんと遊びたくてアタックしたい!という子もいます。

 

しかし、猫という動物にとって、同居犬で慣れているなどの一部の場合を除き、キャリーの中から見える犬は恐怖の対象そのもの。

 

また、他のわんちゃんとの出会いも、動物病院の待合室で合う初対面の子の場合、

● 他のわんちゃんが苦手かどうか

● 体調が悪くて来院しているのかどうか

がわかりづらく、相手のわんちゃんや飼い主さんにとって、「今はちょっと挨拶できないの…」と心の中で思っているケースもあります。

 

そのため、待合室ではどんなに挨拶上手な子でも、まずは飼い主さんの膝の上で抱っこをしておくか、リードを短く持って足元で待機していてもらうことが大切です。

 

ねこちゃんのための待合室で過ごすポイント

ねこちゃんの場合、わんちゃんよりもさらにもう一工夫が必要になります。

 

基本的に待合室では、ねこちゃんが恐慌状態に陥って逃げてしまうことを防ぐため、キャリーの中に入れて連れてくることが鉄則です。

「うちの子は大丈夫」と思っていても、飼い主さんでも予想できない瞬間に、わんちゃんと目が合ってパニックになり、キャリーの蓋を開いた途端待合室を駆け回ってしまった子もいます。

 

● できるだけサイドから外が見えづらいキャリーに入れる

● キャリーのドアの前を中心に、毛布やバスタオルをかけておく

● キャリーは膝の上ではなく、椅子の座面に置いて安定させる

● 床の低い位置にキャリーを置くことは避ける

 

といったポイントを元に、待合室で一緒に過ごしてあげましょう。

 

 

ねこちゃんは、自分から見えていなくて薄暗い環境であれば、一旦気持ちを落ち着かせることができるため、怖がりな子はなおのこと、「外が見えやすいキャリー」は避けてください。

サイドからのぞきこまれて目が合ったり、わんちゃんが近くでふんふんと匂いを嗅いできたりするのがわかってしまうと、恐怖心は倍増してしまいます。

 

横開きだけでなく、透明な上部の蓋がついている上開きも兼ねているキャリーを選ぶと、待合室でこっそり愛猫の様子を確認しやすいためおすすめです。

 

また、人やわんちゃんが歩く時の振動、飼い主さんの膝の上で揺れるグラグラとした感覚は、キャリーの中に入っていても不安をあおる原因になります。

キャリーは安定していて、他の動物にのぞき込まれにくい場所に置いてあげるようにしましょう。

 

そして、待合室でのポイント以上に、自宅から連れてくる際、キャリーに入れる時に時間をかけすぎないことも重要です。

 

ねこちゃんにとって、自宅でさんざん逃げ回った後で連れてこられた病院での治療は、気が立ってパニック状態に陥るきっかけにならないようにしてあげてくださいね。

 

予約診察やCFCを積極的に活用しよう!

どうしても他の人や飼い主さんが苦手!という子は、わんちゃんでもねこちゃんでも必ずいます。

 

そんな時には、積極的に動物病院の予約システムや、今注目されている「キャット・フレンドリー・クリニック(Cat Friendly Clinic)」を活用してみてください。

 

予約システムを活用することで、

● 動物病院の滞在時間を短くする

● 待ち時間の疲労からくる愛犬・愛猫の体調悪化を防ぐ

● 混雑していても予約優先のことが多い

といったメリットを得ることができます。

 

中には、通常の診察時間だけではなく、特別な予約診察日・時間を設けて、他のわんちゃんやねこちゃんと会わずに済むような診察時間を設けている病院もあります。

 

また、猫にやさしい動物病院の国際基準の規格である、キャット・フレンドリー・クリニックの認定病院になっている動物病院もあります。

 

もちろん、動物病院ごとに、怖がりなねこちゃんのための待合スペースを作ったり、対応を工夫している獣医さんはたくさんいます。

しかし、訪れてみないとわからない動物病院の居心地を考える時に、CFC認定病院であることが1つの道しるべとなってくれるかもしれません。

 

キャット・フレンドリー・クリニック認定病院情報はコチラ

まだまだ兵庫県では少ないので、ぜひ増えてほしいものです!

 

ちなみに、以前一緒に働いていた獣医さんも、キャット・フレンドリー・クリニックに認定されました。

よどえ動物病院「福井初!猫に優しい動物病院に認定されました」

 

皆さんのわんちゃん・ねこちゃんが、少しでも動物病院でゆったりした気持ちで過ごせるよう、みんなで協力して対応してあげたいものですね!